今年は昨年に比べ忍び猟での出猟は少ないですが、目的の猪の遭遇はかなり多くなってきました。
昨年の初年度はあまり意識せず、体力まかせに歩いていたせいか、まともに猪を見る事さえできませんでした。
ですが今年は教わった足の見方や、猪の生態のデータが集まってきたので、だいぶ限定的に攻める事ができるようになり、ピンポイントで猪までたどり着ける可能性がかなり高くなったと思います。
ただやはり鹿に比べ個体が少ないのと、警戒心が強かったり、寝ている所が暗い所が多かったりなど、難しいパターンが多いです。
まだまだ未熟者でもありますが、先日今までで一番のチャンスがありましたが、それを見逃してしまいました。
そんな話を今日はしたいと思います。
先日早朝兵庫の山に到着。
早速足を辿ります。
ひたすら足を追い上ったり下りたり、地形を見たり。
それを繰り返していると足が、ある尾根に向かっていました。
尾根の手前でいつものごとく停止し一時監視。
ここも空かな?と思いながらGPSで次の尾根や周辺の地形をチェックしていると目の前の尾根でかすかに音が。
もしかしたらいるかも・・・
と尾根へのアプローチを考えていると・・・
ガサササ
この音は!
銃を構えます。
音が・・・来る!
するとそこそこサイズの猪が!
そして小走りで歩き停止
ドットが猪に重なります。
ついにこの時が・・・もらった!
ガササ
左目が別の対象を捉えます。
!!!子供!
子猪が2頭見え、その瞬間なぜか今でも分かりませんが、自分の子供が頭をよぎりました。
いやいや、関係無い撃て!(頭が叫びます)
ここで親を獲ったら子供はどうなる?もう死んでしまうのか?本当に親を殺していいのか?(心が訴えかけます)
おいおい今更か!今まで獲ってきた鹿達にも家族や子供もいたはずだ!(頭が叫びます)
ドットは親猪を捉え続けます。
やっと猪が獲れるチャンスだぞ!撃て!(頭が叫びます)
ですが結局トリガーに掛かる人差し指がそれを拒否し続け、行ってしまいました。
あと1秒!あと1秒子供が視界に入らなければ撃てた!いや、なぜ撃たなかった!軽くトリガーをいつものように引くだけだった!
すごいショックでした。
しばらくいろいろ考え動き始めました。
その後頭を切り替える為、拠点の車に戻り昼食。
そして昼からも行いましたが、残念ながら猪には出会う事すらできませんでした。
ため息をつきながら帰宅。
今回はいろいろ考えさせられました。
今まで、鹿やいろんな動物の命を奪ってきましたし、まさか自分が土壇場になってこんな選択しかできなくなるとは思いませんでした。
多分自分に子供がいなければ、そんな事を思う事も無かったでしょうし、冷静な今なら撃てるとも思います。
ですがあの時は撃てなかった、それが全て。
猟師が、そして元自衛官が情けないですね。
次回から頭を切り替え、また懲りずに猪を追い頑張ろうと思います。
またチャンスがあるといいね!
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