結果的には獲る事ができましたが、改めて忍び猟の難しさを実感した1日となりました。
今回は、動画では説明しきれなかった様子を書いていこうと思います。
その日は当初家族サービスの予定で出猟は次の日の予定でしたが、仕事場の上司数人から鹿肉が食べたいとのご要望があり、日ごろお世話になっている事もあるので急遽獲りに行く事にしました。
ですが9時頃には子供のスイミングスクールに連れて行かないといけないのでタイムリミットがあります。
ですので、近い猟場、そして一番確率が高い場所にしぼって出猟しました。
早朝朝5時頃出発。
夜明けは7時前でしたが、確実に獲りたかったので、ここ一番のポイントに向かいます。
6時頃到着。
徐々に明るくなり始めていましたがまだまだ暗い時間。
すぐに着替えて山道を歩いていきます。

そしてある程度行った所で、山道から山に入ります。
目指すは鹿の寝屋前。
寝屋に朝帰りをする鹿を待ち伏せで狙います。
鹿は夜中人里付近に下りて食事をし、夜明け前後に山に帰る事が多いと思います。
そこでその間を狙おうという作戦です。
今回来ている山は、自分が1番良く歩き知っている山。
大体の寝ている場所やルートなどは把握しています。
さらに今期はまだその場所は攻めてないので、寝屋として使っている可能性が高い事がほぼ分かっていました。
さらにその寝屋は、いろんな理由から寝屋撃ちには向かない地形ですが、寝屋に行くルートが限られているのと、その周辺の植栽が見通しが良い針葉樹が多い場所である事から、タイミングさえ合わせばかなりの確率で成功する場所の1つでした。
という事もあって、その場所に夜明け前から向かいました。
と、ここまで聞けば、夜明け前スタートって結構メリットがある?と思いがちになると思います。
たしかに夜明け前後は獲物がまだ動いている時間帯でもあるので遭遇はしやすいと思います。
ですが、場所やタイミングによってはデメリットになってしまう事もあるので、そういった事も理解して歩くルートやテンポを組んでいく必要があると思っています。
人が動物に勝っているのは色が判別できる事ができる視覚。
暗いとそれがほぼ使えません。
さらに双眼鏡などの物も暗い森の中では意味をなしません。
嗅覚、聴覚は動物が勝ります。
そういった事を考慮して動く必要があると思っています。
という考えの元、今回も尾根近くでは極力体勢を低く進んだり、音が出やすい場所はテンポを考えて進んだりなどして、か~なりゆっくり山に刺激を与えないよう目的のポイントまで進みました。
そうしてゆっくり進んでいると、目的ポイントに到着した時には夜明けと同時刻ぐらいとなりました。
もう少し早く到着する予定でしたが、思いのほか時間がかかってしまいました。

この尾根の先端が日当たりの良い寝屋です、
その手前の斜面の中腹やや上に陣取りました。
谷の下を射程の限界に合わせての位置です。
ですがこの場所の谷は比較的ひらけているので、薄暗い斜面沿いにくる事が多いです。
なので斜面沿いに歩く鹿を撃つ予定としました。
とりあえず周囲の邪魔な枝を静かに折って待ちます。

すると数十分後・・・
カサカサ、パチン!
来ました、鹿の群れ。
自分の位置から確認できるだけで3頭。
ですが思っていたルートではなく、谷を歩いています。
こちらの斜面に登ってくる気配はなく、このまま谷を歩き直前で登るようなルートをとりそうな感じでした。
全く想定していなかった訳ではありませんが、射程がぎりぎりです。
鹿達は安心しきっているのか、谷をゆっくり地面の草を食べながら歩いていました。
できれば座射か木へ依託をしたい距離ですが、足場は土質が緩く足を上げたら崩れて、ばれる危険性がありました。
ですのでこのまま立射一択。
Tactcamを起動し、照準を合わせます。
距離でいうと薄暗いのもあって正確には分かりませんが、とりあえず傾斜の着弾補正と50mゼロインのドロップは相殺されるぐらいかなと思い、そのまま撃とうと判断しました。
10倍スコープでも遠く感じ、鹿のバイタルが木の裏なのでまだ撃てません。

(8倍ズーム+編集ズーム)
呼吸を整え待ちます。
ゆっくり歩いています。
1歩、また1歩

あとちょっと・・・
太い枝のやや下を通そうと狙いこみます。
そして・・・
バイタル・・・捉えた!
息を吸い少し吐いて止めます(よく聞けば動画にも呼吸が入ってました)
引き金を静かに絞ります。
ドン!
トロフィーカッパーの銃声が木霊しました。
獲物を確認すると動く事なく即倒となり、ぴくりともしません。
前回の時は距離も近くバイタル付近に入っていたのに即倒でなかったので心配でしたが、今回はうまくいったようでした。

その後はいつもどおり解体と埋設を行い急いで撤収。

なんとか無事子供の水泳教室に間に合い、ほっとした1日でした。

そして振り返り、改めて忍び猟の難しさ奥深さに触れた事を実感しました。
獲物のルートの読み違い、あの時待つポイントはもう少し下でもよかった、もしくは寝屋側でもよかった、だけど自分はあの場所にしてしまった。
原因はそれまでに歩いてきて少し疲労し、ここでもいいかという慢心があったというツメの甘さがでたと思いました。
結果当たったから良かったものの、サボット12番でのあの距離の立射。
冷静に考えれば、自分の腕では外れてもおかしくなかったです。
経験、技術がまだまだ足りない、そう思わせる今回の1頭でした。
ただ、考えずともたまに歩いていて偶然獲れてしまう事は多々あるのも1つの魅力。
楽しく美味しいのが狩猟の醍醐味ではありますが、自分が目指す忍び猟は、いろんなプロセスを考えクリアし、最後に王将を取る詰将棋のような、そんな忍び猟を追い求めていこうと思います。
難しさ奥深さも魅力の1つだよね!
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YouTubeの動画が面白いのでブログも見に来ました。
動画がきれいに撮影できているのが凄いですね。
自分も数年前から鹿猟を北海道でしています。忍びが好きですが流しもやります。
動画も自分の記録として撮影したいと思ってますが、カメラのバッテリーがなかったり、角度が悪かったりで全く撮影できませんw。
良ければ撮影している機材なども紹介してください。よろしくお願します。
こんにちは。
コメントありがとうございます。
カメラを録画をしながらというのは、最初は煩わしかったですが最近はだいぶ慣れてきました。
動画を取るのも慣れかなとも思うので、また是非挑戦されてみて下さい。
以前ブログでこんな記事を書いてみました。
http://www.yutlr.link/article/455423775.html
何かの参考になりましたら幸いです。